Δじゃ。
このほど発売されたFinal Fantasy 31が巷で話題になっとるな。
発売日にはどこもかしこも大行列で、今頃はみんな寝ずに
プレイしとるところじゃろうかのう。
なに? 全然話題になってないぞ、じゃと?
巷というのはわしら老人界隈でのことじゃ。ゲームには世代間の
温度差というのが色濃くてのう、ファイナルファンタジーを
プレイするのは今では老人ばかりじゃ。ちょうどわしらが
子どもの頃の水戸黄門のような位置づけじゃな。
ファイナルファンタジーといえば、じゃ。
かつて老年の政治家が、自らの政治生命をかけて新党結成という
勝負に出たとき「ファイナルファンタジーだ」とのたまった。
人生の最期に、政権奪取・政策実現という幻想を掴もうとする
強い決意を示したのじゃな。
当時はこの発言が、ゲームのタイトルにあやかってることで
若さアピールにもなっていたのじゃがのう。いま同様の発言をしたら
「また懐古厨の老害がなんかいってるぜ」と若者に笑われて
しまうじゃろうな。
還暦をすぎたジジババが、やれ壮大な世界観じゃとか、華麗な
グラフィックじゃとか、テンポの良い戦闘システムじゃとかで
口角泡を飛ばす様は、若者にはさぞかし奇異にうつることじゃろう。
ネットゲームでもそうじゃ。
ジジババばかりが集い、高校生だと嘘をついてパーティーを
組んでおるのも気味が悪いじゃろう。なにせ老人は時間が
余っておるからな、一日中インしてレベル上げできる。
そんな事情から、戦闘では他世代に対して圧倒的な力の差を
見せつけておるようじゃ。
わしらの世代は、そういう世代じゃったんじゃ。
子どもの頃、まだパソコンが無く、かわりにコンシューマの
ゲーム機がほとんどの家庭にあった。ソフトもは高かったので
友達と貸し借りしておった。友達との話題はゲームばかりじゃった。
そんな、ゲーム世代じゃったんじゃ。
この年になってみると、そのことが特別じゃったように感じられる。
若い世代になんとかしてゲームの良さを伝えていきたい。そんな気が
してくるんじゃ。
わかってもらえるかのう。